やる夫と学ぶホビーパソコンの歴史 第30話
|┃三 / ̄ ̄\
|┃三 / \,_. \ とうとう30回目だな。
|┃ (●)(● ) |
|┃ (__人__) | 今回は、1990年の10月ごろからの話になるだろ。
ガラッ .|┃ ヽ`⌒ ´ |
|┃ { |
|┃三 { /
|┃ ヽ /
|┃ . ン ヽ
|┃三 / |
|┃(⌒二_/| . |
| | |
/ ̄ ̄ ̄ \ ペコッ
/ . \ 中の人は、まだしばらくは続きそうって言ってるけど、
/ \ / \
.| (ー) (ー) . | あんまり長くなりすぎて読むほうが負担にならないか、気にしてるみたいだお。
\ (__人__) . /
/ `⌒´ ヽ ともかく、これからも応援よろしくだお。
/ ̄ ̄\
/ ヽ_ .\ まずこの10月、双葉社が、全国約1,000店の書店を通じてパソコンソフトを
( ●)( ●) |
(__人__) | 発売すると発表しただろ。パッケージをCDケースをふた回り大きくした程度の
l` ⌒´ |
{ | ものに統一、ブランドを「ソフボックス」とした。ゲームソフトに加え、若干の
{ /
_. -: ´Λ _.へ` 、 実用ソフトも発売したが、ゲームソフトの当初のラインナップは、ほとんどが
r<: : : : /:|: :、  ̄r' \ :\_
/: : :l : : : : : :\`IエL>、 >ヘ::Λ 旧作の部類で、実質的には廉価版という位置づけだった。
|: : : ト、: : : : : : : : : : : : : `ー/ : : V |
〈: : : :::: _ -¬--―-、: : く:r 、: : : V }
/: : :_ン´: : : : \ ,___, ィ ): : :`く : : : ヘ|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
____
/⌒ ⌒\
/ ,,,⌒ ⌒,,,\ 双葉社っていうと、「漫画アクション」とかのとこかお。
/:::::: (__人__) ::::: \
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
___
/:::::::::::::::::ヽ ____
/ :::::::::./ ̄ ̄ \____ ,. --ー.....:::::::::::::::::::.. \
/ :::::::::: ⌒´ ヽ、,_ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i うむ。対象機種はソフトにもよるが、
| :::::::::::(⌒).(⌒ ) |::::::::::::::::::γ:::::::::::::::::::: ノ
| :::::::::::(__人___) .|:::::::,. -ーy:::::::::::::::::::: / 主にPC-9800シリーズ、PC-8800シリーズ、MSX2。
| :::::::::::/::'、 | ̄ _/::::::::::::::::::::: /
| :::::::/::::: | | /):::::::::::::::::::::: / 後にはX68000やJ-3100対応のものなども
| :::::::::::::/| /レ-,.イ:::::/:::::::::::::::::: /
i ::::::::::::::::. ヽ__、____,. "//::ノ.:::::/:::::::::::::::: j 加わっているだろ。価格は3,000円弱から
r/:::::::::::::::::「二二二 ::::::::::/::::::::ノ::: 、:::: //
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::r 5,000円程度だった。
____
/ \
/ ─ ─\ アシストのやり方とは、ちょっと違う感じかお。
/ (●) (●) \
| (__人__) | ゲーム中心だと、「武尊」に近いってとこかお。
/ ∩ノ ⊃ // ∩ノ ⊃
( \ / _ノ \/ _ノ
.\ “ / . \ “ /
\ / /\/
\ \
\ \ \
> > >
/ / /
/ ̄ ̄\
_ノ ヽ、 \ この頃ソフトベンダー武尊は、全国で120台あまりの設置だったから、
(●)(● ) |
. (__人__) u .| 発表どおり1,000店で扱われるとなれば、ざっと10倍の規模ということになる。
. ヽ`⌒ ´ |
{ / 実際首都圏地域だと、ちょっと大きめの書店にはけっこう置いてあっただろ。
lヽ、 ,ィ'.) ./
j .}ン// ヽ ただ、雑誌への投稿ソフトを扱うなんていうような機動力は見込めないし、
ノ '"´  ̄〉 |
. { 勹.. | 扱うソフトを厳選したとしても、なかなか売れないソフトはどうしても出てくる。
ヽ 、__,,ノ . |
___
/)/ノ ' ヽ、\
/ .イ '(●) .(●)\ 扱う店が増えたら増えたで、
. /,'才.ミ). (__人__) \
. | ≧シ' ´ ⌒` | 売れ残りもいろんな店に少しずつたまってっちゃうわけだお。
. \ ヽ /
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \ また、光栄や日本ファルコムなどの超大手がソフトを提供しなかった
(●)(● ) |
(__人__) | こともあって、当初の注目度のわりには、ソフボックスブランドでの販売は
'、`⌒ ´ |
{ | 大きくは広がらなかった。それでもしばらくの間、復刻ソフトが少しずつ、
{ /
ゝ /⌒丶_ また新作ソフトがごくわずかながら追加されていくことになるだろ。
⊆~、__/ l | l゙⌒'i
{三';ゝン __"_ノ| | | | | それじゃ、そろそろ始めよう。
`ーー´ _____l /⌒ ̄` )_| |
ii⌒'./⌒ ̄ /´ ̄ゝゝ、く ̄ ̄ ̄ ̄ |
||. | ィ_| y |. l |
|| | | | |.|. | |
|| |__| |___| | |
|l_(゙___{__(゙__)___|._______|
────────────────────────────────────────
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\ やる夫と学ぶホビーパソコンの歴史
| (●)(●)|
____. .| (__人__) | 第30話
/ \ ` ⌒´ ノ
/ ─ ─\ .} 「さらば8ビット」
/ (●) (●) \ }
| (__人__) | ノ.ヽ
/ ∩ノ ⊃ /∩ノ ⊃| |
( \ / _ノ | |/ _ノ | |
.\ “ /__| | /__| |
\ /___ //___ /
────────────────────────────────────────
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ さて1990年10月には、松下が「FS-A1ST」を87,800円で発売しただろ。
| ( ●)(●)
| (__人__) これは前月に発表されたMSXシリーズの新規格「MSXターボR」に対応した
| |r┬| .}
| | | | } 初めての機種で、アスキーが新たに開発した16ビットCPU「R800」を採用。
,..-'ヽ `ニニ }
./::"::::`ヽ、.,__ __ノ ゙ これを活かして、従来のMSXシリーズよりも大幅に処理能力を向上した
/::i::::::::::::"'弋'!ー',イ>|'_ノ´`ー -,,_ _
. }:::゙|::::::::::::::::::::~゙:_戈;f" 、 イ/ `i 「高速モード」を備えたことが最大の特徴だった。
/:::::::!;:::::::::::::::::::/',r.テ \xー.ォ、__ノ
::::::::::::ヾ!:::::::::::::l .l r' ` 、_冫y"
:::::::::::::::::\o:::::l .ト、 ヽ,_ノ"ー'
:::::::::::::::::{::::{\代 l>ー、,_ノ
●FS-A1ST
┏━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ CPU ..┃アスキー R800 7.16MHz ┃
┃ ┃Z80A互換品 3.58MHz ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ ROM ...┃48KB(BIOS、BASIC)+32KB(漢字BASIC等)+64KB(ディスクBASIC等) ┃
┃ ┃ +16KB(FM音源用ROM)+256KB(漢字ROM、JIS第一水準・第二水準) ...┃
┃ ┃ +512KB(漢字辞書ROM)+576KB(内蔵ワープロソフト等)+カートリッジ......┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ RAM ┃256KB+128KB(V-RAM)+16KB(内蔵ワープロソフト設定保存用) .┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ 表示(文字) ..┃80文字×26行、512色中2色 ┃
┃ ┃または40、32文字×24行 ┃
┃ (グラフィック) ┃256×212ドット・19,268色・2画面 ┃
┃ ┃または256×212ドット・512色中16色+12,499色・2画面 ┃
┃ ┃または256×212ドット・512色中16色・4画面 ┃
┃ ┃または256×212ドット・256色・2画面 ┃
┃ ┃または512×212ドット・512色中4色・4画面 ┃
┃ ┃または512×212ドット・512色中16色・2画面 ┃
┃ ┃または256×192ドット・512色中16色(水平方向8ドット単位に2色まで) ┃
┃ ┃または64×48ドット・512色中16色 ┃
┃ (スプライト) ┃最大16×16ドット・縦1ドットごとに16色中1色、32枚 ┃
┃ ┃ (水平方向には9枚以上表示不可) ┃
┃ ┃ ※スプライト2枚を重ねた場合は縦1ドットごとに最大3色まで使用可能 ...┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ サウンド .┃矩形波3音(8オクターブ)+ノイズ1音 ┃
┃ ┃FM音源9音(またはFM音源6音+リズム音5種類) ┃
┃ ┃PCM音源1音(周波数可変) ┃
┃ ┃1ビットD/A ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃外部記憶装置┃3.5インチフロッピーディスクドライブ(両面倍密度倍トラック、1台内蔵) ┃
┃ ┃ハードディスクドライブ(オプション) ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ 価格(税別) ┃87,800円 ┃
┗━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
___
/ \
/ \ , , / \ ハチハチがVAで16ビットになったと思ったら、
/ (●) (●) \
| (__人__) | 今度はMSXまで16ビットかお。
\ ` ⌒ ´ ,/
ノ \
._i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
( l l l l l
ヽ /
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ R800は、Z80の機械語プログラムが基本的にそのまま使える
| ( ●)(●)
. | (__人__) 互換性を備えつつ、16ビットの乗算機能などを追加したものだろ。
| ` ⌒´ノ
. l^l^ln } 内部構造を工夫して演算速度を向上させたほか、RAMのアクセス速度も
. ヽ L }
ゝ ノ ノ 改善したことで、動作周波数はMSX2+のZ80Aの2倍ながら、処理能力は
/ / \
/ / \ 最良の条件で平均8倍に相当するとうたわれていた。
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒))
___
/ ⌒ ⌒\
/ (⌒) (⌒) \ ってことは、今までのMSX用のソフトも8倍速で動くんかお!?
/ ///(__人__)/// \
| `Y⌒y'´ |
\ ゙ー ′ ,/
/ヽ ー‐ ィ⌒ヽ
rー'ゝ 〆ヽ .)
ノヾ ,> ヾ_ノ,ヽ}
ヽ ヽ| ヽ_ノ
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ いや、従来のソフトを使う場合には、互換性を確保するために
| ( ●)(●)
. | (__人__) 別に搭載されたZ80Aが動作して、R800では演算しないようになっている。
| ` ⌒´ノ
. | } このCPUの切り替えはソフトウェア的に行えるので、ソフトの起動時に
. ヽ }
ヽ ノ mm 本体を判定して、MSX2+までならZ80Aのまま動作を続行し、ターボRなら
/  ̄ ̄ ̄ つノ
| | ̄ ̄ ̄ R800に切り替えて動作させるというような作りにすることは可能だろ。
____
r、/ ⌒ ⌒ \
|.l1 (● ) (● )ヽ 互換性のためだけに、わざわざ前と同じCPUも
.|^ ) (__人__) |
.ノ ソ、_ ヽノ _/ ̄`! 載せておくなんて、キューハチみたいだお。
/ イ イ7 _/
{__/\ ヽ {
/ ̄ ̄\
/ _,ノ `⌒ もっとも既にMSX2+の時点で、松下や三洋はCPUと
| ( ●) (●)
.| (___人__) 周辺回路などをひとつのLSIに統合したものを使っていただろ。
| ノ
_,.| | FS-A1STでも、このLSIがそのまま使われていて、
.―― < / |ヽ 丿
:ヽ : : : : :/ : :| \ __ _ / 実際にはZ80AのCPU単品を載せているわけではない。
: :| : : : く: : : :|、 /=|´| :| .\
: : : : : : :> : | `'|::::/|/:,┘ : . ヽ
:/ : : : : ヽ : : | |:::| / : :> : : : : :丶
:.: : : : : : :∧: :| /::::|/: :/ : : : :/ : : : |
: : : : : : : : :Λ:|'::::::ノ: :/_ : : : / : : : .丶
____
/⌒ ⌒\
/( ―) (―)\ どうせ今までのLSIを使うことになるんだから、
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \
| | Z80の機能も使ったほうがいいってとこかお。
__( ⌒-ィ⌒ヽ、 /⌒` '⌒ )__
`ー-ゝィソノー‐ヾy_ノー"
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ ただし周辺回路がMSX2+までとまったく同じというわけではなく、
| ( 一)(●)
| (__人__) MSXターボRでは、メモリーのアクセスを高速化するために、
| `⌒´ノ
| ,.<))/´二⊃ RAMがR800に直接接続されている。Z80Aが動いている時は、新設された
ヽ / / '‐、ニ⊃
ヽ、l ´ヽ〉 システム制御用のLSIが、R800に接続されたRAMへのアクセスを仲介していて、
,-/ __人〉
/ ./. / \ これによって従来のMSX2+までと同様の動作を可能にしているわけだ。
| / / i \
|" / | > )
ヽ/ とヽ /
| そ ノ
____
/ \
/ ⌒ ⌒ \ 中身は複雑そうだけど、今までのソフトがなんにもしないで
/ (⌒) (⌒) \l⌒l
| (__人__) |`''| 普通に動くんなら、なかなかよくできた仕組みなんじゃないかお。
\ ` ⌒´ _/ /
/
/ ̄ ̄\
/ _,.ノ ヽ、_ 他の強化点として、MSX2+ではオプション規格となっていたFM音源の
| ( ⌒) (⌒)
| (___人__) 「MSX-ミュージック」が標準装備となり、またMIDIインターフェースとして
.| ノ__
| _/  ̄\ヽ 「MSX-MIDI」がオプションに追加された。さらに、PCM音源が1音
. 人、 '、/  ̄ ヽ '、
. _,/(:::::ヽ、 __'-r´ ̄ヽ v 装備されているだろ。ただしPC-8800シリーズのサウンドボードIIや
― ''"::::::::::\ :::::::::::::::j_√ |
、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘ r、 FMタウンズと異なり、PCM音源専用のRAMは用意されていない。
:::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゞニニ彡〉,
:::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::( :::::::::::::::::∧^
____
/⌒ ⌒\
(ヽ /( ●) (●)\ /) RAMが256キロバイトあるから、それでどうにかしてねってことかお。
(((i ):::::: ⌒(__人__)⌒::::\ ( i)))
/∠ | |r┬-| |_ゝ\ っつか、ハチハチのサウンドボードIIにADPCM専用のRAMが
(___ `ー'´ ____ )
| / 256キロバイトも用意されてるのって、ものすごく贅沢な気がしてくるお。
| /
| r /
ヽ ヽ/
>__ノ;:::......
/ ̄ ̄\
/ __,ノ ヽ、_ 一方で、映像用LSIはMSX2+から変更がなかった。こういった従来機種から
| (● ) (● )
| (___人__)i 受け継いだLSIは、R800のような高速なCPUでの制御を想定していないことから、
. | ノ
| | 高速モードでこれらにアクセスする際は、システム制御用LSIが
. 人、 |
. _,/(:::::ヽ、 __ ,_ ノ R800の処理のタイミングを調整する。そのぶん、速度は遅くなっただろ。
― ''"...:::::::\ ::::::::::::::::::7、
、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-、_
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::゙'ー、
____
/ \
/ \ つまり、画面を全然動かさないで計算ばっかりやるならかなり速いけど、
/) ノ ' ヽ、 \
/ .イ(ー) (ー) u | 画面をバリバリ書き換えたりすると、平均8倍っていうほどは
/,'才.ミ) (__人__) /
.| ≧シ' ` ⌒´ < 速くならないわけかお。
/ / ヽ
/ ̄ ̄\
/ ⌒ ⌒ \ まあ、逆にまったく計算をせずにただひたすら
| ( ●)(●) |
. | (__人__) | 画面を書き換えるだけというのも、現実的ではないがな。
| \_) |
. | } 悪くても、2倍くらいのスピードアップはしたようだろ。
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
____
/_ノ ヽ、\
/(●) (● ).\ それにしても、画面表示の機能は前の機種と変わらないし、
/ (__人__) u \
n|i 7 ` ⌒´ n| せっかくの高速モードも、今までの機種用のソフトで効かないんじゃ、
l^l | | l ,/) U l^l.| | /)
', U ! レ' / ー‐ | U レ'//) あんまりいいところがないんじゃないかお。
{ 〈 ノ /
..i, ."⊃ rニ /
."'""⌒´ `''""''''
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ 実際には、従来機種用のソフトを高速モードで動かすというツールが
| ( ●)(●)
| (__人__) 「MSXマガジン」などに掲載されたり、市販されたりしていた。これは
. | ` ⌒´ノ
. | } フロッピーディスクに収めて使い、このディスクから高速モードで
. ヽ }
ヽ、.,__ __ノ 起動したあとに、従来機種用のソフトのディスクに入れ替え、
.-― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_ 高速モードのままソフトを起動させるといったものだろ。
;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
___
/⌒ ⌒\
(● ) (● ) \ ROMカートリッジのソフトはどうなるんだお。
. (ニ~`ヽ、 /:::⌒(__人__)⌒::::: \
(((_⊂>ヽ| |r┬-| |
. \ \ `ー'´ /
. ゝ-| ヽ
ヽ \
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ カートリッジのソフトは、普通の使用方法では高速モードにならないので、
| ( ●)(●)
| (__人__) カートリッジを抜いた状態でツールを起動し、無理やり後から挿すという手段を
| ノ
| ∩ノ ⊃ } 取るものがあったようだろ。また、CPUがカートリッジにアクセスすること自体が
/ヽ / _ノ }
( ヽ / / ノ 処理速度を落とす原因になるので、あらかじめROMの内容をフロッピーディスクに
ヽ “ /_| |
\__/__ / 取り出しておき、これをRAMに読み込んで高速モードで動作させる方法もあった。
____
/⌒ ⌒\
/( ―) (―)\ ちょっと怪しい世界に入ってきたお。っつか、こんなのが流行ったところで、
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \
| |++++| 」_ キラッ | 結局マニア受けにしかならないんじゃないかお。
\ `ー''´ l /
/ ̄ ̄ ヽ
/ ヽ うーん。FS-A1ST自体は、年末までの2ヶ月半で公称3万台と、
/ ヽ
| _,.ノ '(ゞ、_| 松下の予想を上回る売れ行きを見せてはいるんだがな。
.| ( ー)ヽ ヽ
.ノ| U (___人_\\__ ただ、アスキーの西和彦氏がターボRの発表時に掲げた
/ | `⌒(⌒_ \
{ .ヽ. し「、 \ 1年で50万台という目標には程遠かったのは確かだし、その前提となる
{ ト `ヽ. ___´ノ ヽ、 i
.| | | / / 新規ユーザー層の取り込みも、うまく行ったとはとても言えないだろ。
/ ̄ ̄ ̄\
../ _, 、_. \ だいたいが買い替え需要ってわけかお。
/ (● ) (● ) \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
〆~\ /ヽ
/:::;;;、:::::::i::ヽ`介´/::::i::::::::::ヽ
<:::::::::::<|:::::::l::::ヽ| | i::::::7;;;;;;:l::::}
. \::::::::\:::::\;;;i,,/:/:::::::::i:::::{
__
/ _ノ\
/ (一) さらに、年末までにMSXシリーズの新機種を発表しなかったソニーと三洋は、
| (__人)
| l その後ターボRを含めた新機種の投入を見合わせる方針を明らかにする。
. | |
. ヽ ノ 結局、MSXターボRの本体を販売するのは松下1社になってしまっただろ。
ヽ /
/ ヽ
| |
|. |
___
/ \
/ノ \ u. \ 10社以上で競ってたMSXも、ついに残り1社ってわけだお。
/ (●) (●) \
| (__人__) u. |
\ u.` ⌒´ /
ノ \
/ ̄ ̄\
/ _,.ノ `⌒ さて、同じく10月、アメリカ、ヨーロッパ、そして日本で「マッキントッシュ
| ( ●) (●)
| (___人__) クラシック」と名付けられた低価格モデルが同時発表され、発売が始まった。
.| ` ⌒´ノ
| | 日本での価格は、フロッピーディスクドライブ1台内蔵のモデルが198,000円、
人、 |
_,/(:::::ヽ、 __ ,_ ノ 40MBのハードディスクも内蔵のモデルが298,000円だっただろ。
― ''"::::::::::\ ::::::::::::::::::7、_ ______
、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.../´ ヽ、,,,__ノ
:...ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ヽ、 } ̄)
::::::...ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ' 、 ヽ .ノ  ̄
:::::::::...:ヽ;;;;;:::::::::\::::::::::/( r_ノ|
:::::::::::::::....ヽ;;;;;;::::::::::/⌒ヽ::::ヽ、y-ィ´|;;;;|
;;;;::::::::::::::::丿ヽ;;;;/....:::::::;;;;;;;;;;::);;;::::::::::|;;;;|
●マッキントッシュクラシック2MB/FD漢字、2MB/HD40漢字
┏━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ CPU ..┃MC68000 7.83MHz ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ ROM ...┃512KB ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ RAM ┃2MB(最大4MB) ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ 表示 ┃512×342ドット・モノクロ ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ サウンド .┃8ビットPCM(22.25kHz)1音 ┃
┃ ┃矩形波 ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃外部記憶装置┃3.5インチフロッピーディスクドライブ(両面高密度、1台内蔵) ┃
┃ ┃ハードディスクドライブ(2MB/HD40漢字モデルでは40MB内蔵) .┃
┃ ┃CD-ROMドライブ(オプション) ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ 価格(税別) ┃198,000円、298,000円(2MB/FD漢字、2MB/HD40漢字) ┃
┗━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
__ _
_,rーく´\ , --、 /⌒ ⌒ \
,-く ヽ.\ ヽ Y´ / /(●) (●) \ マッキントッシュが20万円で買えるんかお!
{ -! l _」_ノ‐′/ / (__人__) \
ヽ ゙ー'´ ヽ / | . `Y⌒y'´ | こりゃまた、今までのイメージを覆す低価格ぶりだお。
ゝ、 ノ_ イ \ ゛ー ′ ,/
ヽ | / ー‐ ヽ
/ ̄ ̄\
/ _,ノ `⌒ アメリカでは1,000ドルマックとも言われたが、これはRAMが1メガバイトの
| ( ●) (●)
.| (___人__) モデルの価格だった。日本では、日本語対応のOS「漢字トーク」を
| ノ
.| | 動作させるために、RAMは2メガバイトが標準搭載されていただろ。
人 丿
/⌒ \ __ _ / ただ、CPUの性能が初代マッキントッシュと同等だったこともあり、
/ \
./ 人 ./ ヽ 日本語入力などの処理は決して速いとは言えないものだった。
〈 < / \ \
/ ̄ ̄ ̄\
/ / \ \ 最初のマッキントッシュは、1984年の発売だったかお。
/ (●) (●) \
| (__人__) | 当時は高級品だったにしても、6年後には遅いって言われても仕方ないかお。
\ ` ⌒´ /
/ \
/ ̄ ̄\
/ ヽ_ \ それでもこの低価格のおかげで、個人での購入者や、教育機関、
| (⌒ )(⌒)
. | (__人__) 公的機関でまとまった数を導入するケースがぐっと増えたのは間違いない。
| ` ⌒´ノ
. | } マッキントッシュの日本での累計販売台数は、この1990年6月に6年あまり
. ヽ }
ヽ ノ かかって10万台に到達したところだったが、クラシック発売からの
_,,,,ノ|、 ̄//// \、
_,,..r''''"/ | \`'/ / |  ̄`''ー-、 1年間だけで、12万台以上を販売することになる。
/ | /\ / / / ヽ
. | > |/)::::/\/ \ ノ /}
. | { | ,r":::ヽ / / / // ハ
____
/ \
/⌒ ⌒ \ 1ヶ月で1万台ペース、1年で台数が2倍に増えたってとこかお。
/( ・ ) ( ・ ) \
| (__ | こりゃあ効果てきめんだお。
\ _l /
/ ー \
/ ̄ ̄\
_ノ ヽ、 \ ,.:┐ 同じく10月、NECは「PC-98ドゥ」の後継機種として、98モードで利用する
.( ●)( ●) ..| / |
(__人__) .|./ / ハードディスクドライブを内蔵可能、88モードではサウンドボードIIと同じ
i⌒ ´ .r-、 |/ /
{ ヽ, ',. .,/ :/', 音源を備えるなど、機能を改善した「PC-98ドゥ+」を発売した。
.ヽ .| l_/_, -‐、',
.ヽ . | / , --'i| 価格は前機種より2万円下がって、278,000円だっただろ。
/ { V , --ヘ
| ヽ L| r= |
●PC-98ドゥ+(PC-98DO+) ※▼マークの付いている項目は98モード、▽マークの付いている項目は88モード
┏━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ CPU ..┃NEC μPD70136A-16 16MHzまたは8MHz▼ ┃
┃ ┃NEC μPD70008A-8 約8MHzまたは約4MHz▽ ┃
┃ サブCPU .┃NEC μPD780-1(Z80A互換) 約4MHz(フロッピーディスク制御)▽ ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ ROM ...┃96KB(BASIC、モニター等)+8KB(CG-ROM)+16KB(サウンドROM) .┃
┃ ┃ +α(漢字ROM、JIS第一水準・第二水準)▼ ┃
┃ ┃128KB(N88-BASIC等)+2KB(CG-ROM)+8KB(サブCPU用) ┃
┃ ┃ +256KB(漢字ROM、JIS第一水準・第二水準)▽ ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ RAM ┃640KB+12KB(V-RAM)+256KB(グラフィックV-RAM) ┃
┃ ┃ +α(EMS用RAM、最大8MB)▼ ┃
┃ ┃192KB+4KB(V-RAM)+48KB(グラフィックV-RAM)+16KB(サブCPU用) .┃
┃ ┃ +256KB(ADPCM用)▽ ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ 表示(文字) ..┃80、40文字×25、20行・8色・2画面▼ ┃
┃ ┃80、40文字×25、20行・512色中8色▽ ┃
┃ (グラフィック) ┃640×400ドット・4,096色中16色・2画面(またはモノクロ・8画面)▼ .┃
┃ ┃または640×200ドット・4,096色中16色・4画面(またはモノクロ・16画面)▼ .┃
┃ ┃160×100ドット・8色(1文字と同じサイズ単位での色指定)▽ ┃
┃ ┃640×200ドット・512色中8色▽ ┃
┃ ┃または640×200ドット・512色中8色・3画面▽ ┃
┃ ┃ (1文字と同じサイズ単位での色指定) ┃
┃ ┃または640×400ドット・512色中8色(1文字と同じサイズ単位での色指定)▽ ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ サウンド .┃FM音源3音(8オクターブ)+矩形波3音(8オクターブ)+ノイズ1音▼ ┃
┃ ┃FM音源6音(8オクターブ)+矩形波3音(8オクターブ)+ノイズ1音 ┃
┃ ┃ +リズム音6種類+ADPCM1音(周波数可変)▽ ┃
┃ ┃矩形波(周波数変更可能) ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃外部記憶装置┃5インチフロッピーディスクドライブ(両面高密度、2台内蔵) ┃
┃ ┃ ※内蔵ドライブは両面倍密度倍トラックタイプのディスクの読み書き可能▼...┃
┃ ┃ ※両面倍密度タイプのディスクの読み書き可能▽ ┃
┃ ┃3.5インチフロッピーディスクドライブ(両面高密度、オプション)▼ .┃
┃ ┃8インチフロッピーディスクドライブ(両面倍密度、オプション)▼ ┃
┃ ┃ハードディスクドライブ(オプション)▼ ┃
┃ ┃CD-ROMドライブ(オプション)▼ ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ 価格(税別) ┃278,000円 ┃
┗━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
____
/_ノ ヽ_\
/(● )(● )\ CPUが、なんか見慣れない型番になってるお。
/ :::::⌒(__人__)⌒::::::\
| ) ) |
\ `ー' /
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、_ \ μPD70136Aは、「V33A」と呼ばれているCPUだな。PC-9800シリーズで
.| ( ●)(<) |
| (__人__) │ 数多く使われてきた「V30」ことμPD70116の内部構造を作り直し、
.| `⌒ ´ |
| | 処理速度を向上させた「V33」を、さらに改良したものだろ。これを
ヽ /
ヽ / 16メガヘルツで動作させるドゥ+は、公称で前機種の2倍以上の
〉-r:::┬〈、
/Λ 〉.:〈 7//\ 処理速度を持ち、おおむね12メガヘルツの80286と同程度と評されていた。
////V::::::V/////\
./////∧::://///////}
/////// ∨/////////{
. __
-´ ``ヽ
. / ⌒ `ヽ で、キューハチVMとかのソフトは全部動いたんかお?
/ `ヽ ヽ
. (( / (●) ヽ
|::⌒(__ (● ) }
ヽ 人__) ⌒::::. |
ヽ(__ン |
人. / | |
/ _ノ ノノ
|
|
/ ̄ ̄\
/ _ノ \. 厳密には、μPD70116の機能のうち、ソフト開発などの用途に使われた
| ( ●)(●)
. | ::::::⌒(__人__) インテルの「8080」をエミュレーションする機能がなかった。また、ごく一部の
| ` ⌒´ノ
. | }. 。 動作については挙動に違いがあったようで、これらが影響したのか、
. ヽ } /
ヽ ノ ./ 正常に動かないソフトが若干はあったようだろ。
/ lヽ介/lヽ、 ,rE)
. | | ~ヾ/~ |. ソ◇'
| | ゚| |\/____E[]ヨ__________
_ | | ゚| |__
|\  ̄ヽ⌒ヽ⌒ヽ \
|\\ ⌒ ⌒ 甘 \
| \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
___
/ ヽ、_ \
/(● ) (● ) \ うーん、バンバン売れる機種じゃないから、新しいCPUの実験に
/:::⌒(__人__)⌒::::: \
| l^l^lnー'´ | ちょうどよかったみたいな感じがしなくもないお。
\ヽ L /
ゝ ノ
/ /
____ ミ
/ ~\
/ ノ (●)\ なおドゥ+では、新たにPC-9801N用の増設RAMカードを
| (./) ⌒)ヽ
\ (__ノ,.<))/;、 利用可能なスロットが装備され、前機種と変わらずひとつしかない
\ / / '‐、>
`\__l ´ヽ〉 汎用の拡張スロットをつぶさずに、EMSを利用できるようになっただろ。
,ノヽ、ノ __人〉
, /'"|::::_/ヽ. /:::::ヅ!:゙、-、_ ただし80286ではないから、プロテクトメモリーとしての利用には対応しない。
''":::::::::::/´∨/`ー'〉 7:..ヽヽ:.:|:::::゙'ー、
::::::::::::y′.: ',ゝ、_/::\:.:.:| |.イ:::::::::|:::!
::::::::/: ://: : : :|::::::::ヽ::|/:i::::::::::::i::|
,、 「l /)
| !,l |//.、
`、 (゙)} ___
l. ィ''´ /⌒ ⌒ \
| | /(⌒) (⌒ ) \ ハードディスクも内蔵できるってことは、
| |/:::⌒(__人__.)⌒::: \
ヽ | |,┬‐ | | 拡張スロットの使い道はけっこう自由に選べそうだお。
\.\ `ー ´ /
\ __ ヽ MIDIインターフェースに使うのもありかもしれないお。
ヽ (____/
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ もうひとつ、PC-98ドゥ+で改良されたのが、88モードでの
| ( ●)(●)
. | (__人__) マウスとジョイスティックの利用だろ。前機種のPC-98ドゥでは、
| ` ⌒´ノ
. | } マウスについてはPC-9800シリーズ用のものが88モードでも
. ヽ }
ヽ ノ 機能するようになっていたが、ソフト側がマウスの信号を取得する
.> <
| | 手順を正しく踏んでいないと対応できない場合があった。
| |
____
/― ― \
/(●) (●) \ なんでそんなことになってたんだお。
/ (__人__) \
| ` ⌒´ |
\ /
/ \
/ ̄ ̄\
/ _,ノ `⌒ そもそもPC-9800シリーズのマウスと、PC-8801マークIISR以降の
| ( ●) (●)
.| (___人__) 汎用I/Oポートに接続するマウスでは、接続するインターフェースも、
| ノ
.| | 信号を取得する手順もまったく異なるだろ。98ドゥの88モードでは、
人 丿
/⌒ \ __ _ / PC-9800シリーズ用のマウスの信号を本体のインターフェース側で
/ \
./ 人 ./ ヽ 読み替えるという方法で、マウスを2個つなげなくてもいいようにしたわけだ。
〈 < / \ \
_. -─‐-
/ ─ \
/ / (● ) \ ハードウェアが違うのを、けっこう無理して合わせてるわけかお。
/ ( ●) 、_) ⊂ヾ、
| (__ノ |E ) コリコリ
ヽ _ノゝ ヽ
>  ̄ ` ノ
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ またジョイスティックについては、NECがPC-8800シリーズで汎用I/Oポートに
| ( ●)(●)
| (__人__) ジョイスティックを接続するという利用方法を公式にはサポートしていないことも
| ` ⌒´ノ
. | } あってか、PC-98ドゥにはジョイスティックの接続端子自体がなかった。
. ヽ }
ヽ (\ ノ、 どうしてもという場合は、ジョイスティックをキーボードの代わりとして
/ \\く} j
| 〈 ̄ ゙ヽ ヽ 動作させるようなアダプターを利用する必要があっただろ。
| .に }
| (___,ノ
____
/^ ⌒ \
(へ) (へ ) \ それはそれで、だいぶ値段が張りそうだお。
/⌒(__人_)⌒:::::: \
| ヽvwwノ |
\ `'ー' /
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ これに対してドゥ+では、マウス接続端子に別売の専用変換アダプターを
| ( ⌒)(⌒)
| (__人__) 接続すると、PC-8801マークIISR以降の汎用I/Oポートとハードウェア的に
| ` ⌒´ノ
ン } 同じ形状、機能を持つようになっている。これはPC-8800シリーズ用の
/⌒ヽ、 _ノ
/ ノ \__ィ ´ マウスを接続するためということになっているが、マウス以外に
/ / '|
( y | ジョイスティックも、そのまま流用できるようになるだろ。
\ \ |
(( (ヽ三/) (ヽ三/) ))
(((i ) ___( i)))
/ /⌒ ⌒\ \
( /( ●) (●)\ ) これで、88モードのマウスとジョイスティックの問題を
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \
| | 一挙に解決ってとこかお。
\ /
/ ̄ ̄\
/ ⌒ ⌒\ 98モードのほうにもちょっとしたおまけがある。PC-98ドゥ+では、
| (●) (●) |
. | (__人__) | PC-8800シリーズのサウンドボードIIと同じ音源LSIをそのまま搭載している
| |r┬-| |
. | `ー'´ } わけだが、98モードではPC-9801-26と同じFM音源3音、矩形波3音として
. ヽ }
_ ゝ ノ 機能するようになっているだろ。しかし正しく制御すると、98モードでも、
/ `ヽ
/ /  ̄\ \ ADPCMを除くこの音源LSIの機能が使えるようになっていた。
/ / `ー‐´ ̄`>ヽ
|ゝ、 \∩ノ^)ミ:::::::::(´__\__________,ヘ,,t,,t、
| []\_,,__ノ ミ三三三三三三ゞヽゝ三三三三三三三≒≒≒|〕
| 廾 廾 ::::::::::::::(´ ̄ ̄ ̄\___ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ソ''r''r''
', ゚。゚。゚ ,─、___,>
\___/
____
/⌒ ⌒\
/(⌒) (⌒) \ FM音源が6音に増えて、リズム音とステレオ出力にも対応だったかお。
/ ::⌒(__人__)⌒::: \
| |::::::| ,---、 これはなかなかうれしいパワーアップだお。
\ `ー' しE |
/ l、E ノ
/ | |
( 丶- 、 ヽ_/
`ー、_ノ
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ この時点では、PC-9800シリーズにはこれと同じLSIを採用した
| ( ⌒)(⌒)
. | (__人__) 市販のサウンドボードがなかったので、市販のPC-9800シリーズ用ゲームで
| ` ⌒´ノ
. ,| } すぐにこの機能が利用されたわけではない。ただ、同人ソフトやパソコン通信の
/ ヽ }
く く ヽ ノ 界隈では、わりと早くからこの機能を活用する研究が進んだようだろ。
\ `' く
ヽ、 |
. | |
___ クルッ
/ ノ ヽ_\  ̄` 、
/(● ) (● )\ |,ノ そういや、98ドゥ+でハチハチのゲームが遊べるのはいいとして、
ビシィッ / (__人__) \  ̄
| し | Y | 肝腎のハチハチの新機種はどうなったんだお。
Vて \ `ー ' /
そ と⌒ヽ `> 〈´
ヽ V´ ヽ
ヽ / 、
/) ̄ ̄\
/∠___ ヽ、,_ \ 残念ながら、PC-8800シリーズの新機種はこの年以降、
/ / ,-イ)(= )!!! |
l / /(__人___) | ついに発表されなくなった。つまりこの1990年をもって、
l ', `⌒ ´ u |
', ', | 日本でのホビーパソコンの新機種はすべて、何らかの形で16ビットか
j ノ /|_
_∠⌒ヽ j, _、___ ィ/::\__ それ以上のCPUを搭載したものになったというわけだろ。
___/ ...:::::::::::ヽV ̄ ̄ ̄:::::::::::::::::...´´''' 、、、 _
/ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... :::::..\
...:::::::::::::::::::::::: /;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::: l
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \ とうとう、8ビットパソコンの代表選手だったハチハチも現役引退かお。
/ o゚⌒ ⌒゚o \
| (__人__) | で、ハチハチって結局何台くらい売れたんだお。
\ `⌒ ´ /
/ ̄ ̄\
/ ノ ヽ /\'ー、 ,, ..,、 1989年5月、PC-98ドゥの発表時点で95万台という数字があるだろ。
| ( ●)( / .\` 、 . // /
. | (__人/ \ヽ、,.// ../ これはPC-88VAを含めての数字と考えるべきで、その後に発表された
| ` / ``77 /
. ヽ / / / / PC-8801MCやFE2、98ドゥシリーズを含めた「PC-8800用ソフトが動く機種」が
ヽ.. / fヽ、/ / , -,./
/./ r-、 ヽ ∨,ノ / 100万台を超えたのは間違いない。一方で、88VAや98ドゥを除いた純粋な
|. \ 〈\.\,〉 `, f
| . \ (ヽ ヽ `.. | 8ビット機種に限定すると、100万台に乗ったかどうかちょっと微妙なところだな。
| .\ \ ノ
____
/ \
/ \ / \ なんだかんだ言っても、ひとつのシリーズで100万台近く売ったってのは
/ (●)i!i!(●) \
| u , (__人__) | 相当なもんだお。
\ .`⌒´ 〆ヽ
/ ヾ_ノ
/rー、 |
/,ノヾ ,> | /
ヽヽ〆| .|
/ ̄ ̄\
/ _ノ .ヽ、\ とはいえやはり、PC-8800シリーズとしての新機種が出なかったことの
| (●)(●) .|
. | (__人__) | 影響は大きく、翌1991年以降、PC-8800シリーズ用の新作ゲームソフトは
∧ .| ` ⌒´ ノ
/\ヽヽ } かなり数を減らしてしまうことになるだろ。それじゃ、先に行こう。
,r―''''''ヽ, ヽ ノヾ、
,r‐' ,、;-‐''''""''ヾ、、, く l
/ ./ r''"ヽ, \, l`ヽ、
j l ,. / ' l ヽ、 ト, ヽ
,.Lj∠、'´ , i, / `ヾ、`'ヽゝ
l, / 二'''" ,;、, `''ー゙--、
/゙ヽ-ッ-‐'´ ./`ト-:rイ「´ ゙l;:`''ト-、,_ ノ'i,
/ / ,;∠∠,ノ´ イ l l, ├''| |、,/ l |
|
_ 人 _
`Y´
|
1990年12月、大阪・日本橋──
_ .,_
./i::l ' - ., _
/ l|::| ' - ., _
./ |::| i! ' - .,
/ i|::| l!ノllllll;;;;;;;;;;;;;,,,, ..i
/ l|::| ~~~"'iiiillllll;;;;;;;;;;,,,,,, |/l丶、
|:i l|::| l! ~~"''iillll!... |_ | .
|.| l|::| iソllllllllii;;;;;;,,,,,,,,,,,,, .|_i .| ::
|.| i|::| ~~~~iiiilliiilliillliii;;;;,,,, ]/ .| :: :
|.| l|::| l ,,,,,,,,,,,,,,,, ~ .| | :: :
|.| l|::| liソlllllllllllliiiiiiiiiiiiiiiiii;;;;;;;;;,,,,,,,,,,, ]..., | :: :
|.| i|::| ""懶穰鬱懶懶 ~~~"""" |_l .| :: :
|.| ㊥ l|::| 懶懶穰鬱懶懶穰 .......,,,,,,,,, |/ .| :: :.,..,,
|∠二二∠コ .j|::| l! ii穰鬱懶懶穰鬱懶懶lllliii''" ] | ::;il懶!
`‐‐-+ ..,i___| j|| j| | liノ|||穰鬱懶懶鬱懶""~~ __,,....f-‐ ' " _ ,
 ̄` - ...,__  ̄ ''++‐- ...,,___懶ii'_ji,..|i--‐‐ '  ̄ _ ,...-‐ '  ̄
 ̄ ` '‐-- ...,__  ̄ __,,.. .- ‐ '  ̄
 ̄` i ' ̄
,ヘ
____ / /
/\ /\ / /
/( ⌒) (⌒)\/ / あれ? ここはJ&Pかお。
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\ /
| |r┬-| | 前に見たときより、ずいぶんでっかくなってないかお。
\ ` ー'´ /
/ \
/ \
/ /\ ヽ
| ./ \ ノ
U ヽ ノ
l⌒\ __
! 〈 \
/ / __,.ノ` ⌒ 上新電機は、「J&P」をブランド化して各地にこの名称のパソコン中心の
/⌒ト、/ (> )(●)
r-='´ ヽ (___人__) 店舗を展開した一方、1981年に開店した店舗は「J&Pテクノランド」として
| _∠ ノ | ` ⌒´ノ
} ⌒´ `V |>ー- 、 営業してきた。上層には本社オフィスが入っていたが、これを移転した上
〉 -‐く |:::::::::::::::::::ヽ、
ヽ  ̄ /`ヽ.,___ ,__ノ7::::::::::::::::::::::| 隣地にもビルを建設して一体化し、この10月に新装開店しただろ。売り場
ハ /|/:ヾー--ー" ゞ:::::::::::::::/::::ヽ
7 |  ̄ , /ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::i 総面積でラオックスのザ・コンピュータ館をも上回り、日本一となった。
/::::l| 、 /ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::∧
l:::::lト-ゝ==- '´丁::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::∧/⌒ヽ
\::::::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::/ ̄ _ノ⌒ヽ
___
/ \
/ \ , , /\ 大阪商人のプライドとして、秋葉原にやらせはせんってところかお。
/ (●) (●) \ nn
| (__人__) | i i.i
\ |r┬-| ,/、-─,‐─‐/ ヽ-、
. /⌒, `ー'´ ___; _、r イフ'
/ ,)、_, -、_ ,/ ̄  ̄
(_____´r' 〉 l
. | ` ̄~ |
/ ̄ ̄\
_,ノ ヽ、_ \ さて10月には、さらに新たな時代の到来を告げる出来事があった。
(●)(● ) |
(__人___) | この月、日本IBMが発表した新機種の中で、ラップトップパソコン
'、 |
| | 「PS/55モデル5535S」向けの日本語対応のDOSは、英語仕様機として
| , /_.{
`ァニニ<//〉、__ __ 販売してきた「PS/2」でも利用可能という説明がついていた。
,./ /\ / : : : : : : > : :\
_/ /|イ:::::/∨. : : :l: : : : : : : : : : :.丶 これが「DOS J4.0/V」、後に言う「DOS/V」だろ。
/. : : : :| ./`Y / : : : 」: : : /: : : : : : : : }
,´ : :/: : : :| i::::::|/ : :/: : : /: : : : : : : : :|
{ : :/. : : : :|/:::::/ : : : : : : : | : : : : : : : : : ,'
/ : :,' : : : : : |::::/ : : : : : r---く´ニ\: ヽ:ノ
、'ーr,_| : : : : : :|:/ : : : : :_/二ヽ V: : : : ` :´
/ :./ ̄>< :./ : : : : :/ 二 ヽ_」┘: : : ∨}
/ : : :ム / : : : : ̄ ̄ ̄ ̄~゙''-ゝ.」: : : : : ∨ :}
┏┓ ┏━━┓ ___ ┏━┓
┏┛┗┓┃┏┓┃ /⌒ ⌒\. ┃ ┃
┗┓┏┛┃┗┛┃┏━━ /( ●) (●)\━━━┓┃ ┃ ここでDOS/Vの名前が登場かお!
┏┛┗┓┃┏┓┃┃ /::::::⌒(__人__)⌒:::::\ ┃┃ ┃
┗┓┏┛┗┛┃┃┗━ | |r┬-| | ━┛┗━┛ そういや、PS/55とかPS/2ってどんなんだったかお。
┃┃ ┃┃ \ `ー'´ /. ┏━┓
┗┛ ┗┛ ┗━┛
/ ̄ ̄\
_ノ ヽ、_ \ PS/2は、アメリカのIBM本社がPC/ATの後釜のパソコンとして
(●)(● ) |
(__人___) | 1987年から販売してきた主力機種で、640×480ドットで16色、
| |
| .| 320×200ドットで26万色中256色の表示能力を持つ映像用ボード「VGA」を
ヽ 、 ,イ
/ヽ,ー- ト、 主に採用したのが特徴のひとつだった。以前に名前を出した「OS/2」は、
_, 、 -─ '".:.ヽ:.:.\__ /ノ ト、__
__ ,. ー 、...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.... そもそもはこの機種を前提として開発されてきたものだろ。
\ r 、 _ \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::'ー、
} }/ ) V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/:ゝ/ ./ __ V ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:.:.:.\
}:::::ゝ ソ ,Y i::::::/::::::\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:.:.:.:. \
____
/ \
/ ⌒ ⌒\ 2010年代にも、キーボードとかマウスの端子の名前に
/ ( ●) ( ●)ヽ
l ⌒(__人__)⌒ | PS/2ってのが残ってるお。
\ ` ⌒´ /
/ ヽ
/ ̄ ̄\
_ノ ヽ、 \ しかし日本IBMでは「マルチステーション5550」以来、ビジネス向けの
( ●)( ●) |
(__人__) | ../} パソコンでは、1,024×768ドットの高解像度画面を採用し、漢字1文字を
_ ヽ`⌒ ´ | / / __
(^ヽ{ ヽ { ./ / . / .ノ 縦横24ドットとして、いわゆる「嘘字」が少ないことにこだわってきただろ。
( ̄ ヽ ヽ i ヽ / 厶- ´ /
. (二 ヽ i i |,r‐i ノ. ヽ / / このためPS/2はあくまで英語仕様機として販売し、これを基に映像用の
ヽ / ノ / r一'´ ー 、  ̄ ̄ ̄)
i { イ―イ / .`ー―. 、__ .〈 ̄ ̄ 機構などを独自に変更した「PS/55」シリーズを主力として展開してきた。
ヽ. `ー '/ / /\ \
`ー '  ̄ ̄! | ヽノ
____
// \\
/( ●) (●) \ マルチステーション5550から数字をもらって、PS/55ってわけかお。
/::::::⌒ 、_! ⌒::::: \
| 'ー三-' |
\ /
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \ とはいえ、ラップトップやノートパソコンで使われる液晶ディスプレイでは、
(●)(● ) |
(__人__) | 640×400、あるいは640×480ドットといった解像度のパネルでさえまだまだ
( |
. { | 発展途上で、高解像度の液晶パネルの商品化事例はごく少数だった。
⊂ ヽ∩ く
| '、_ \ / ) 実際、PS/55シリーズにはモデル5535S以前にも5535Mというラップトップの
| |_\ “ ./
ヽ、 __\_/ モデルがあったが、やはりデスクトップ機よりもかなり低い解像度だっただろ。
____
/ \
/ ─ ─ \ 高解像度のパネルを特注できたとしても、
/ (―) (―) \
. | (__人__) | 値段は跳ね上がるわけだお。
\ `⌒´ ,/
/ ー‐ \
/ ̄ ̄\
/ノ ヽ、_ \ 一方で日本IBMは、個人市場への再進出を狙い、1989年末にディスプレイと
. ( ●)( ●) |
|(人__) | 本体が一体化したデスクトップパソコン「PS/55Z」を428,000円からという
| ⌒ ´ |
. | | 価格で発売していただろ。これは、その前年から教育市場向けに販売して
. ヽ /
ヽ / 好評だったという同形状の機種のCPUなどを強化したものだったが、
,t:.ヤ、..::::<
|i::レ´::::::::.| 1年で10万台の販売目標に対し、5万台にも及ばないというありさまだった。
i´.:::::::::::::::|
____
/ \
. / \ 学校向けだったら、嘘字が少ないってのもいいかもしれないけど、
. / /) ノ ' ヽ、 \
| / .イ '(ー) (ー) u| 個人向けだと、20万円くらいで買えるノートパソコンが強いってわけだお。
. /,'才.ミ). (__人__) /
. | ≧シ' ` ⌒´ \
/\ ヽ ヽ
/ ̄ ̄ \
_,ノ ヽ、,_ \ 今回発表されたもののうち、モデル5535Sのほうは、5535Mと同様
(●)(● ) |
(__人___) | システム一式で納入するのが主な用途だったようで、価格は安かった
'、`⌒ ´ u |
| | わけでもなく、さして注目されなかっただろ。しかしPS/2のハードウェアに
ヽ 、 イ
ィヽ-ー ≦ノ7 手を加えずに日本語を表示させられるというDOS J4.0/Vが、安価な
_, 、 -― ''"....:::::::::::::::::::::::::::ト、
/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::........--、 個人向けノートパソコン投入の布石であることは、疑いようもなかった。
丿.:::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r::::: {
r :::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`,::::i
|
\ __ /
_ (m) _
|ミ|
/ `´ \
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\ PS/2のパソコンのための部品だったら、
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \
| |r┬-| | 高性能なものを安く調達する方法はいくらでもあるってことかお。
\ `ー'´ /
/ ̄ ̄\
-、 / ヽ、_ \ そしてもうひとつ、1年以上前から日本IBMがセガと共同でパソコンを
/ / (●)(● ) |
| , (__人__) | 開発していたことも、この件と無縁とはとても言えないだろ。DOS J4.0/Vの
l | (`⌒ ´ |
┌―} l . { | 発表から1週間も経たないうちに、セガが日本IBMからパソコン基板の
┌‐| lノ 〉 { ノ
「1( ̄ `ヽ / ヽ ノ―┐ OEM供給を受ける契約を締結した旨が発表されている。ちなみに、任天堂の
.└イ ̄フ { 小 ´ / l
l 〈 ノー- 、 /」、__ム | └i スーパーファミコンの発売まで、あと1ヶ月あまりというタイミングだった。
ゝ _ノ /\ / / r┐! l \
| / |' //⌒Vー'| 厂\ \
\ r'´ ,// l / / \ \
. ` <. __/// / / / / /
___
/ \ キリッ
/ \ , , /\ セガにしてみれば、任天堂を牽制したかったってところかお。
/ (●) (●) \
| (__人__) | もしかして、スーパーファミコンの発売がもっと遅れてたら、DOS/Vは
\ ` ⌒ ´ ,/
. /⌒~" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ IBMのノートパソコンの発表と同時にデビューって可能性もあったんかお。
| ,___゙___、rヾイソ⊃
| `l ̄
. | |
/ ̄ ̄\
/ _ノ .ヽ、\ それはどうだろうな。いずれにせよ、当の任天堂は、
| (●)(●) |
. | (__人__) .| パソコンにはもはやまったく興味がなく、
| ` ⌒´ ノ
. r─一'´ ̄`<ヽ } 相手にもしていなかったがな。
. `ー‐ァ , ) , -'~⌒ヽ、
ノ {. ,ヘ ,l. ゝ、_ .'ヽ).
. /, 、 _ /. | . ', . .. .ヽ、
(/ / // / / ...| ...|\..\\ \_)
/ // / / . . \_\_)、_)
ー' {_/ノ ."´
___
/ ノ' ヽ_\
/ ( >) (< \ さすがの余裕だお。
/ ::::::(__人__) |
. | `i i´ |
\ _ `⌒ ./
/ ⌒
/ ̄ ̄\
⌒´ ヽ、,_ \ むしろこの一連の発表で注目が集まったのは、AX協議会の加盟各社の
(●)(●.) |
(_人___) | 対応だろ。セガが発売予定の家庭向けのパソコンがVGAを採用するのは
'、 │
} { 当然としても、日本IBMが今後発売するデスクトップパソコンにまでVGAと
!、______ .ィ-ート、
V/:::::::::::::::::ヽ DOS J4.0/Vの採用が広がれば、AXと完全に競合することになる。
{::::::::::::::::::::::::::::::.、
/ー-:::::::::::::::::::::::::::::::, これについては、次回以降さらに触れていくことにしよう。
「r'、 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,
} r'、 ヘ、 /.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i
i/ ム、} .{ i:::::::::::::::::::::::::V:::::::::::::::::::::: |
{ い、{ Y::::::::::::::::\::::V:::::::::::::::::::: |
\ ヽ {|V.::::::::::::::: \V:::::::::::::::::: |
\ ノ|:.V.::::::::::::::::::::::〉.:::::::::::::::::|
___
/ ⌒ ⌒\
/ (⌒) (⌒)\ まあ、なんとなくは予想がつくけど、
/ ///(__人__)///\
| u. `Y⌒y'´ | 気になるっちゃ気になるお。
. \ ゙ー ′ ,/
/ ̄ ̄\
/_ノ `⌒ \ さて10月末には、富士通がFMタウンズの新モデルを発表しただろ。
_ .| (● ) (⌒ ) .|
| ! | (__人___) | 今回からRAMは全モデル2メガバイト搭載され、フロッピーディスクドライブ
| ! | ` ⌒ ´ .|
| ! ,.-,| | 1台内蔵のモデル10Fが298,000円、2台内蔵のモデル20Fが323,000円。
._,ノ ┴、/ ,/ .| /
.r `二ヽ ) i ヽ / 20Fにハードディスクを内蔵したモデル40Hと80Hがそれぞれ473,000円、
.| ー、〉 / 〉 <
.| r_,j j / ̄ '' ̄ ⌒ヽ 623,000円だった。モデル80Hは12月末、それ以外は11月頭から出荷された。
.| ) ノ/ { ィ, }
ノ ,/ | |{ |
●FMタウンズモデル10F、モデル20F、モデル40H、モデル80H
┏━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ CPU ..┃80386-16 16MHz ┃
┃補助演算装置┃インテル 80387(オプション) ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ ROM ...┃256KB(BIOS等)+512KB(OS用ROM) ┃
┃ ┃ +256KB(CG-ROM+漢字ROM、JIS第一水準・第二水準) .┃
┃ ┃ +512KB(辞書ROM)+α(ICメモリーカード) ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ RAM ┃2MB(最大26MB)+512KB(V-RAM)+128KB(スプライト用RAM) ┃
┃ ┃ +64KB(PCM用RAM) ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ 表示 ┃720、640、512、320×480ドット ┃
┃ ┃または640×400ドット ┃
┃ ┃または360、320、256×240ドット ┃
┃ ┃または256×256ドット ┃
┃ (グラフィック) ┃仮想画面1,024×512ドット・16,777,216色中256色 ┃
┃ ┃ (または4,096色中16色・2画面) ┃
┃ ┃または仮想画面512×512ドット・32,768色 ┃
┃ ┃または仮想画面512×256ドット・32,768色・2画面 ┃
┃ ┃または仮想画面256×512ドット・32,768色・2画面 ┃
┃ ┃※仮想画面が2画面使用できるモードは異なる2種類を1枚ずつ ┃
┃ ┃ 重ね合わせて使用することも可能(条件あり) ┃
┃ (スプライト) ┃16×16ドット・32,768色、224枚(または32,768色中16色、896枚) .┃
┃ ┃ (秒間60回の書き換え速度で表示可能なのは16×16ドットで200枚前後) ┃
┃ ┃※異なる色数のスプライトの定義を混在させることも可能 ┃
┃ ┃※スプライトは仮想画面256×512ドット・32,768色の画面1枚を占有する .┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ サウンド .┃FM音源6音(8オクターブ) ┃
┃ ┃PCM音源8音(周波数可変) ┃
┃ ┃CD音声 ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃外部記憶装置┃CD-ROMドライブ(標準速、1台内蔵) ┃
┃ ┃ハードディスクドライブ(モデル40Hは40MB内蔵、モデル80Hは85MB内蔵) .....┃
┃ ┃3.5インチフロッピーディスクドライブ ┃
┃ ┃ (両面高密度、2台内蔵、モデル10Fのみ1台内蔵) ┃
┃ ┃5インチフロッピーディスクドライブ(両面高密度、オプション) ┃
┃ ┃ ※3.5インチ・5インチとも両面倍密度倍トラックタイプのディスクの読み書きと┃
┃ ┃ 両面倍密度タイプの読み取り可能 ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ 価格(税別) ┃298,000円、323,000円、473,000円、623,000円(モデル10F、20F、40H、80H).....┃
┗━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
____
/,r ^(●)\
/ (●) _) \ タウンズも、いよいよ本体価格20万円台に突入かお。
/ :::⌒(__/ Y ',
l (. ⌒ソ l
\ ー /
/ ̄ ̄\
/ ノ ヽ、.\ 今回のモデルでは、システムソフトウェアが標準で付属するようになった。
| (●)(●) |
| (__人__) | さらに従来、ディスプレイには画質を重視してソニー製のトリニトロン管を
___|__`⌒ ´ |
, --'、 / 丿 採用したのをタウンズの売りにしてきたが、今回は一般的なブラウン管を
/ ⌒ ). / <
,′ ノ / /三三三三丑 使ったモデルも選べるようにして、一式での価格をより引き下げただろ。
l T´ ..___/ // r'´ ̄ヽ
ヽ ノ ./丶 // (  ̄ l
`'ー'´ | //_____/ _.ノ
____
/_ノ ヽ\
/ ( ●) (●)、 それでも、キーボードはやっぱり別売りなわけだお。
/::::::::⌒(__人__)⌒\
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
⊂⌒ヽ 〉 <´/⌒つ
\ ヽ / ヽ /
\_,,ノ |、_ノ
/ ̄ ̄ \ -、_
_,ノ ヽ、__ / / ,〉、 キーボード込みで30万円を切れば、よりインパクトはあっただろうが、
(=)(= )/ ´/ /)
(__人_) { , ' ´,/ RAMの量を考えれば、やむを得ないところかもしれないな。さて他に、
'、`⌒ ´ V __, <´
| 〈´/::::Λ CD-ROMドライブもさらに改良されている。ちなみにこのとき、初代の
| ヤ::::::::::::::Λ
`ュ`ー─ー V::::::::::::::Λ タウンズのユーザーには、CD-ROMドライブを制御するコントローラーを
/ム _ , -./V::::::::::::::Λ、
_,. -/:/:::ハ ,/´..::/i:::::::::::::::::::Vヘ 交換して、性能を向上させる有償サービスが提供されただろ。
//./.:::/:::l y .::::::/::::i::::::::::::::::::.∨}
j ::::::::>.:::/:::::l ./ .::::::::::::::::i::::::::::::::::::::レ;
i :::r :〈 ::::i::::::::レ .::::::::::::::::::::〉、:::::::::::::::::ノ
___
/ \
/ \ 無料でないのはちょっと残念だけど、
/ \ , , / \
| (ー) (ー) | 内蔵のドライブだからどうにもなりませんっていう話よりはましってとこかお。
\ u. (__人__) ,/
ノ ` ⌒´ \
/´ _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
| l ( l / / / l
l l ヽ /
/ ̄ ̄\
/ ノ ヽ、.\ 1990年11月になると、エプソンから、同社ノートパソコンでは初めて、
| (●)(●) |
/ ̄ ̄ ̄ 丶人__). | 電源を切っても、バッテリーが持続していれば次に電源を入れたときに
/ \ ._|_____
, --'、 / `〉 前の状態に復帰できるレジューム機能に対応し、さらにハードディスクを
/ ⌒ ) / /
,′ ノ / / 内蔵可能になった「PC-386ノートA」が発売された。
l T´ .._ ./ r'´ ̄ヽ
ヽ ノ ./丶、 / (  ̄ l 価格は268,000円だっただろ。
`'ー'´ | .`'ー'――┬― --、/ _.ノ
●PC-386ノートA(PC-386NA-STD)
┏━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ CPU ..┃80386SX-16 16MHzまたは10MHzまたは6MHz ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ ROM ...┃128KB(BASIC、モニター等)+8KB(CG-ROM)+1.2MB(DOS+内蔵ソフト) . ┃
┃ ┃ +α(漢字ROM、JIS第一水準・第二水準内蔵) ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ RAM ┃640KB(最大7.6MB)+12KB(V-RAM)+256KB(グラフィックV-RAM) ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ 表示(文字) ..┃80、40文字×25、20行・8色・2画面 ┃
┃ (グラフィック) ┃640×400ドット・4,096色中16色・2画面(またはモノクロ・8画面) ┃
┃ ┃または640×200ドット・4,096色中16色・4画面(またはモノクロ・16画面) .┃
┃ ┃※上記はすべて外部ディスプレイ接続時 ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ サウンド .┃矩形波(周波数変更可能、BASICでの音楽演奏は不可) .┃
┃ ┃FM音源3音(8オクターブ)+矩形波3音(8オクターブ)+ノイズ1音※オプション ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃外部記憶装置┃3.5インチフロッピーディスクドライブ(両面高密度、1台内蔵) ┃
┃ ┃メモリーカードスロット(1.25MBのRAMドライブカード、 ┃
┃ ┃ 1.25MBのフラッシュメモリーカード、128KBまたは640KBの ┃
┃ ┃ ICメモリーカード、ROMメモリーカードが利用可能、1スロット内蔵) ┃
┃ ┃ハードディスクドライブ(オプション) ┃
┃ ┃5インチフロッピーディスクドライブ(両面高密度、オプション) ┃
┃ ┃8インチフロッピーディスクドライブ(両面倍密度、オプション) ┃
┃ ┃CD-ROMドライブ(オプション) ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ 価格(税別) ┃268,000円 ┃
┗━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
____
/⌒ ⌒\
/( >) (<)\ キューハチのソフトが使えるパソコンでも、
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \
| /| | | | | | ついにレジューム機能対応かお。
\ (、`ー―'´, /
 ̄ ̄ ̄
/ ̄ ̄ \
⌒ ⌒ \ PC-386ノートAでは、ハードディスクをハードディスクパックと称する
(⌒)(⌒ ) |
(__人_) | 小型のケースに収め、これを差し込むことで、ユーザーが簡単に
'、`-ー-′ | . -,
| `` | / / ハードディスクを装着、交換できるようになっている。こういった形状の
| ィ { r 、 / /
`ュ`ー─ー ´_ノト} }/,`〈 ハードディスクは同社のPC-386Mなどで既に取り入れられていたが、
/ム _ ,. - / :./リ ,/ /ヽ{
_,. -:::/:/:::ハ / : :/ :.ノ )(_/ ヽヽ、 ノートパソコンでは、PC-386ノートAが初めての採用だっただろ。
// : / : /:::l y : : : / : : } 〉-< } : :i
j : : : : :> :./:::::l ./ : : : :i : : :Λ / / : :∧
i : r : : 〈 : i::::::::レ : : : : : : : : : :〉、_ 〈リV. :Λ
i : | : : : :', :i::::::/ : : : : : : : : : :.乂`ニニ彡´:.V. : ',
| : | : : : : ', :i::/ : : : : : : : : : : : Λ : : : : : : : :V. :.i
____
/ \
/ ─ ─ \ 最初からきばってハードディスク内蔵タイプを買わなくても、
/ (●) (●) \
| (__人__) | 必要なタイミングでハードディスクパックを買えばいいってわけかお。
\ ` ⌒´ ,/
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
./ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \ さらにメモリーカードスロットでは、286ノートFまでと同じRAMドライブカードや
( (● ) |
(人__) | ICメモリーカードが使えるほかに、フラッシュメモリーカードが利用可能に
.r-ヽ |
(三) | | なっている。フラッシュメモリーは、電気的に内容を消去・書き込みでき、
.> ノ /
./二/ ヽ / 外部電源無しで内容が保存されるEEPROMと呼ばれるメモリーの中でも、
//// へ>个/ <
.|////ヽ /\///) 大容量化が可能と見込まれてこの頃開発競争が盛んになっていたものだろ。
 ̄ ̄ |\/////|
____
/_ノ ' ヽ_\
/(≡) (≡)\ 20年後の2010年代には、USBメモリーとかSDカードとかSSDとか、
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \
| |r┬-| | フラッシュメモリー花盛りになってるお。
\ `ー'´ /
/ ̄ ̄ \
__ノ `⌒ \ 386ノートA用のフラッシュメモリーカードは、
(●).(● ) |
(__人___) | RAMドライブカードと同じ1.25メガバイトの容量ながら、
, =二ニニヽ、 |
/ 二 ヽ、`,┘ ト、_____ スロットから外しても内容は保存されるだろ。それでいて6万円と、
/ -、 }、j┘ イ// : : : .`' ー- 、
/ /{_/ニニ,´>/ : : : : : : : : : : :ヽ 電池で内容を保存するICメモリーカードよりも割安だった。
_/___ ノ : 「r{::::ヘ / : : : : : : : : : : : : : : '、
/ : : : : :ヾミ : :.i r:::', y : : : : : : : : : :/ : : : : : :'
: : : : : : : :/ : : i .i:::::i ,i : : : : : : : : : r : : : : : : : :i
_____
/ \
/ ⌒ ⌒ \ 286ノートFのときに紹介されたICメモリーカードは、
/ ( ●) (● ) \
| (__人__) | 640キロバイトで9万円以上だったかお。
\ 凵 /
/ \ 確かにフラッシュメモリーカードのほうがお得そうだお。
/ ̄ ̄\
/ノ ヽ、_ \ ただしこの頃のフラッシュメモリーの多くは、フロッピーディスクのように細かい
. (●)(● ) |
. (人__) | 単位で内容を消すことはできなかった。そのため386ノートA用のフラッシュ
|⌒´ |
. | / メモリーカードでも、書いてある内容を読み込むことはわりと自由に行えるが、
. ヽ /
. ヽ. / 書き込みについては、一旦全部のデータを消去した上で、別に用意した
,-‐)__, /⌒l
. /;─ー〉》 /l フロッピーディスクから1枚分を丸ごとコピーすることしかできなかっただろ。
. (_ンー‐-,r'´ . |
| |
____
/_ノ ヽ_\
/( ●) ( ●)\ どっちかっつと、フロッピーディスクの代わりというよりは、
/ ::::::⌒(__人__)⌒::::\
|  ̄ | ROMのメモリーカードを自分の好きな内容で作れる感じかお。
\ /
/ ̄ ̄\
/ ヽ、__ .\ PC-386ノートAでは、ハードディスクやレジューム機能の恩恵もあり、
(⌒)(⌒ ) |
(__人___) | 利便性が発揮できる場面が多かったわけではないようだが、
l`⌒ ´ |
| | この頃のフラッシュメモリーの、興味深い実用例のひとつと言えそうだろ。
| 、 _,.ーへ
_. -: ::::ヽ__「 v、___
__,. <::::::::::::::∧:::二〈 、 ∨:::::\
/:::::::ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::ヽ_〉、 -ー、:::::∧
/::::::::::::::ト、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ー/ ::::::::>:、::ハ
〈::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::く::::::::::::::::::::::::v::、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::Λ::::::::::::::::::::::::ヽ|
____
/⌒ ⌒\ ホジホジ
/( ●) (●)\ そのうち本当にフロッピーディスクに取って代わっちゃうのを、
/::::::⌒(__人__)⌒:::::\
| mj |ー'´ | このときに予言してたのかもしれないお。
\ 〈__ノ /
ノ ノ
/ ̄ ̄\
/ _,.ノ ヽ、__ 一方NECも、これとほとんど同時に、PC-9801Nの後継機種
| (● )(●)
| (___人__) 「PC-9801NV」を発売しただろ。やはりレジューム機能を備えており、
| ` ⌒´ノ
| | ,rー、=-、 CPUにはμPD70116を省電力化した「V30HL」ことμPD70116Hの
人、 | ,イに) | l
_,/( ヽ、.,ヽ., ___ ,__ノi´ `ー' | |ヘ 16メガヘルツタイプを採用。価格は据え置きの248,000円だった。
_, 、 -― ''"::::::l:::::\:::::::::::::::::r'゙´~~ ', jー,i 〉
/.:::::::゙:':、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'ー-‐え__ ゙ン'゙ /`i
丿;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;((、ヽ (ハノ /lヽ、
i ;;;;;;::::::::::::::::|;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;ハゞニΤヘ_/;i l:: l
/ ;;;;;:::::::::::::::::::!;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::\::::::::::::::::;;;;;;;ハ ::;;;;;;;;::::::::. ',/
●PC-9801NV
┏━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ CPU ..┃NEC μPD70116H-16 16MHzまたは8MHz ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ ROM ...┃128KB(BASIC、モニター等)+8KB(CG-ROM) ┃
┃ ┃ +α(漢字ROM、JIS第一水準・第二水準内蔵) ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ RAM ┃640KB+12KB(V-RAM)+256KB(グラフィックV-RAM) ┃
┃ ┃ +α(EMS用RAM、最大8MB) ┃
┃ ┃ ※RAMドライブを使用しない場合1MBを拡張RAMとして使用可能 .┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ 表示(文字) ..┃80、40文字×25、20行・モノクロ8階調・2画面 ┃
┃ (グラフィック) ┃640×400ドット・モノクロ8階調・2画面(またはモノクロ・8画面) .┃
┃ ┃または640×200ドット・モノクロ8階調・4画面(またはモノクロ・16画面) ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ サウンド .┃矩形波(周波数変更可能) ┃
┃ ┃FM音源3音(8オクターブ)+矩形波3音(8オクターブ)+ノイズ1音※オプション ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃外部記憶装置┃RAMドライブ(両面高密度または両面倍密度相当、1台分内蔵) ┃
┃ ┃3.5インチフロッピーディスクドライブ(両面高密度、1台内蔵) ┃
┃ ┃ ※内蔵ドライブは両面倍密度倍トラックタイプのディスクの読み書き可能 .┃
┃ ┃5インチフロッピーディスクドライブ(両面高密度、オプション) ┃
┃ ┃8インチフロッピーディスクドライブ(両面倍密度、オプション) ┃
┃ ┃ハードディスクドライブ(オプション) ┃
┃ ┃CD-ROMドライブ(オプション) ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ 価格(税別) ┃248,000円 ┃
┗━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
____
/ \
/ ─ ─\ 同じ16メガヘルツでも、V33Aを使わなかったってことは、
/ (●) (●) \
| (__人__) | スピードより電池の持ちを取ったってところかお。
/ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
. \ “ /__| |
\ /___ /
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \ PC-9801NVでは、充電池も、従来機種では専用のモデムを内蔵させるための
(⌒)(⌒ ) |
(__人__) | スペースだった場所に、2個目の充電池を標準で備え付けた。これにより、
(`⌒ ´ |
{ | 電池持続時間は、モデムを使用しないという条件なら公称で4時間弱と、
{ ノ
__∩ ヽ ノ PC-9801NやNSの倍以上に伸びただろ。それでいて本体の重さは
(ミんゝ、 / ヽ
\ '' /| | 2.98キログラムと、ぎりぎり3キログラムを切っていた。
/ ̄ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ_ \
/ (>) (<) \ 充電池が増えててその重さに収まってるってのは、
| ::::::⌒(__人__)⌒:::::l
\ |r┬-/ / だいぶがんばってるお。
. グッ /⌒/^ヽ、`ー'´ ,ィヽ、
/ ,ゞ ,ノ , \
l / / ト >
ヾ_,/ |/ /
| |/
/ ̄ ̄\
__ノ ヽ、,_ \ その一方、NVではハードディスクを内蔵させることはできなかった。
(●)(● ) |
(__人___) | このためしばらくの間、98ノートを購入する際は、レジューム機能が
| |
| | 使えるがハードディスクを内蔵できないNVと、ハードディスクが
ヽ .イ_
__「ヽー'ーー"/ L 内蔵できるがレジューム機能は使えないPC-9801NSの
_, 、 -― ''":::\::: ̄ ̄::::/::::::ヽ、
/;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`'ー、 どちらを選ぶかという判断が必要になっていただろ。
/ r二\;;;:::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
i ;;;::::::::\\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'、:::: !
/;;;;;:::::::::::::У ̄\ー, :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:::::: |
l ;;;;;::::::::::::// ̄}<r´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:::::: |
(ヽ三/) ))
__ ( i)))
/⌒ ⌒\ \
/( ●) (●)\ ) そうなると、どっちも使える386ノートAの付け入る隙もあるってわけだお。
./:::::: ⌒(__人__)⌒::::\
| (⌒)|r┬-| |
,┌、-、!.~〈`ー´/ _/
| | | | __ヽ、 /
レレ'、ノ‐´  ̄〉 |
`ー---‐一' ̄
/ ̄ ̄ \
/_,ノ `⌒ \ 1990年12月になると、シャープが、
-、 | (● ). (● ) |
ヤ ', | .(___人___) | 前回紹介したX68000スーパーHDからハードディスクを抜いた
i. l ,.-、 | ` ⌒ ´ |
', j / / .| | 「X68000スーパー」を発売しただろ。価格は348,000円だった。
ノ_..ヽ-、′,' ', ,/'|、
.l .___ ヽノ __ .j '.、__ , ___ ィ/::L_
Y )ハ.‐ ' ´ ..::ヽ::::::::::::::::::::::::::/:::::::...`' ー- 、 _
ト.  ̄ ̄ 〕y::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..\
ハヽ 一ニイ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: r;;;;;:::::::: ',
/...::::::;;;;;;;;;;; /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ;;;;;::::::::::::::〉
●X68000スーパー(CZ-604C)
┏━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ CPU ..┃日立 HD68HC000(MC68000) 10MHz ┃
┃ サブCPU .┃インテル 80C51(キーボード制御) ┃
┃補助演算装置┃モトローラ MC68881(オプション) ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ ROM ...┃128KB(IPL、BIOS等) ┃
┃ ┃ +768KB(CG-ROM+漢字ROM、JIS第一水準・第二水準) .┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ RAM ┃2MB(最大12MB)+512KB(V-RAM)+512KB(グラフィックV-RAM) .┃
┃ ┃ +32KB(スプライト・背景用)+16KB(システム用) ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ 表示 ┃768×512ドット ┃
┃ ┃または512×512、256ドット ┃
┃ ┃または256×256ドット ┃
┃ (文字) ┃仮想画面1,024×1,024ドット・65,536色中16色 ┃
┃ (グラフィック) ┃仮想画面1,024×1,024ドット・65,536色中16色 ┃
┃ ┃または仮想画面512×512ドット・65,536色(または65,536色中256色・2画面 ....┃
┃ ┃ または65,536色中16色・4画面) ┃
┃ ┃※仮想画面512×512ドット設定は画面表示768×512ドットの場合使用不可 .┃
┃ (背景) ┃仮想画面1,024×1,024ドット・65,536色中256色(16×16ドット単位で16色) ...┃
┃ ┃ ※画面表示が512×512ドットの場合 ┃
┃ ┃仮想画面512×512ドット・65,536色中256色(8×8ドット単位で16色)・2画面 ┃
┃ ┃ ※画面表示が256×256ドットの場合 ┃
┃ (スプライト) ┃16×16ドット・65,536色中16色(画面全体では背景含め256色まで)、128枚 ....┃
┃ ┃ (水平方向には33枚以上表示不可) ┃
┃ ┃※背景とスプライトは画面表示768×512ドットの場合使用不可 ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ サウンド .┃FM音源8音(8オクターブ) ┃
┃ ┃ADPCM1音(サンプリング周波数最大15.6kHz) ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃外部記憶装置┃5インチフロッピーディスクドライブ(両面高密度、2台内蔵) ┃
┃ ┃ハードディスクドライブ(オプション) ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ 価格(税別) ┃348,000円 ┃
┗━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
.. ____
/ ― -\
.. / (●) (●) 型番がCZ-604Cってことは、
/ (__人__) \
| ` ⌒´ | CZ-603Cが型番のエキスパートIIの後釜になるんかお。
. \ /
. ノ \
/´ ヽ
_____
/ .r┐ヽ「|
/ r-、 | .| ./ l l゙l そしてエプソンは12月、CPUに動作周波数25メガヘルツの80386を採用の
. / .__,ノヽ ゙、_,ノ '-' .|,,/ |
| (●)ヽ ノ ´/ 「PC-386S」と、これをさらに上回る33メガヘルツの80386を使用し、
| 〉 〈_,,.-、
.| (__人{ .r''´ PC-98XAと同様のいわゆる「ハイレゾモード」も利用できる「PC-386G」を
.| ´ ⌒| _,.-i'´
. .{ l-‐'''''''ーl } 発売しただろ。価格は、5インチフロッピーディスクドライブ2台内蔵の
{. |´ ̄ ̄``l }
{ .| |.} 「PC-386G-STD」と「PC-386S-STD」が、750,000円と498,000円だった。
_ _ ___
/ ) ) )/ \ /\
{ ⊂)(●) (●) \ PC-386Gはハードディスクなしのモデルで75万円かお。
| / ///(__人__)/// \
! ! `Y⌒y'´ | 最初のPC-386が60万円くらいだったから、
| l ゙ー ′ ,/
| ヽ ー‐ ィ エプソンの中では最高峰ってわけだお。
| / |
| 〆ヽ/
| ヾ_ノ
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \ 他に、ハードディスク内蔵モデルの「PC-386S-H40」が638,000円、
(●)(● ) |
(__人__) | 「PC-386G-H100」が950,000円。年が明けて1991年1月には、フロッピー
( |
. { | ディスクドライブが1台の「PC-386G-F1」と「PC-386S-F1」がSTDモデルより
⊂ ヽ∩ く
| '、_ \ / ) 25,000円安で発売されただろ。また少し遅れて1991年3月には、3.5インチの
| |_\ “ ./
ヽ、 __\_/ フロッピーディスクドライブ2台内蔵の「PC-386S-UST」が498,000円で登場した。
●PC-386G-STD、G-F1、G-H100、PC-386S-STD、S-F1、S-H40、S-UST
※PC-386Gについてはノーマルモードのみ記載
┏━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ CPU ..┃80386-33 33MHzまたは16MHzまたは5MHz ┃
┃ ┃ 外部キャッシュメモリー64KB※PC-386G ┃
┃ ┃80386-25 25MHzまたは10MHzまたは5MHz ┃
┃ ┃ 外部キャッシュメモリー32KB※PC-386S ┃
┃補助演算装置┃インテル 80387(オプション) ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ ROM ...┃96KB(BASIC、モニター等)+8KB(CG-ROM) ┃
┃ ┃ +α(漢字ROM、JIS第一水準・第二水準) ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ RAM ┃1.6MB(最大13.6MB)+12KB(V-RAM)+256KB(グラフィックV-RAM) ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ 表示(文字) ..┃80、40文字×25、20行・8色・2画面 ┃
┃ (グラフィック) ┃640×400ドット・4,096色中16色・2画面(またはモノクロ・8画面) ┃
┃ ┃または640×200ドット・4,096色中16色・4画面(またはモノクロ・16画面) .┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ サウンド .┃矩形波(周波数変更可能、BASICでの音楽演奏は不可) .┃
┃ ┃FM音源3音(8オクターブ)+矩形波3音(8オクターブ)+ノイズ1音※オプション ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃外部記憶装置┃5インチフロッピーディスクドライブ(両面高密度、 ┃
┃ ┃ G-STD、G-H100、S-STD、S-H40は2台内蔵、G-F1とS-F1は1台内蔵) .┃
┃ ┃3.5インチフロッピーディスクドライブ(両面高密度、S-USTは2台内蔵) ┃
┃ ┃ ※内蔵ドライブは両面倍密度倍トラックタイプのディスクの読み書き可能 .┃
┃ ┃ハードディスクドライブ(S-H40は40MB内蔵、G-H100は100MB内蔵) .┃
┃ ┃8インチフロッピーディスクドライブ(両面倍密度、オプション) ┃
┃ ┃CD-ROMドライブ(オプション) ┃
┠──────╂────────────────────────────────┨
┃ 価格(税別) ┃750,000円、725,000円、950,000円(G-STD、-F1、-H100) ┃
┃ ┃498,000円、473,000円、638,000円、498,000円(S-STD、-F1、-H40、-UST) .┃
┗━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\ デスクトップなのに、フロッピーディスクドライブ1台ってモデルもあるんかお。
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \
| |r┬-| | それこそハチハチマークIIとかのモデル20みたいだお。
\____`ー'´____/
(( ( つ ヽ、
〉 とノ ) ))
(__ノ^(_)
/ ̄ ̄\
/ ノ \ \/`i PC-386GとPC-386Sの両方に共通する特徴として、フロッピーディスク
| (●)(●)./ リ
. | (__人__)..| / ドライブが収まる部分が「マルチドライブベイ」と称され、交換可能なことが
| ` ⌒´ リ ヒ
. ヽ // ,`弋ヽ 挙げられるだろ。例えば薄型の5インチと3.5インチのフロッピーディスク
ヽ - ′.Y´ , `ヽ`.l
/〈 `ー〈::....ノ V ドライブ1台ずつを一体化したオプションが用意され、これを下段に入れて、
| ヽ_ー 、 `ヾ_/ //
| フ-、`ー┴‐-〃 5インチドライブ2台と3.5インチドライブ1台という構成にすることができた。
`ー‐一′
____
/ \
/ ⌒ ⌒ \ そしたら、普段は5インチのフロッピーディスクを使いつつ、
/ (●) (<) \
| (__人__) | ワープロとかノートパソコンの3.5インチのディスクも読めるってわけだお。
\ `⌒´ ,/
/_∩ ー‐ \
(____) |、 \
.r-、 / ̄ ̄\
/て ) / \ / 一方PC-386S-USTは、上側に標準装備の3.5インチドライブ2台が
( _ノ フ. | ( ●)(●)
ゝ、 〈 | (__人__) 収まっていたので、下のベイに5インチドライブを入れるだけで
/ ハ ヽ. | ` ⌒´ノ
/〃 ヘ \ . | } 5インチのディスクが使えただろ。他に、ノートパソコンとのデータの
i ! \ ` ーヽ }
丶丶 _ > ヽ ノ、 共用向けに、PC-386ノートA用のハードディスクパックを
ゝ'´- 、_ y-、 \
〈  ̄ う /、 ヽ 装着できるアダプターも用意された。
`ー― ¬、__ノ | > /
| r'^ヽ'´ _/
| `く__ノ´
____
/\ /\
/( ●) (●)\ 使い方によっては、便利そうだお。それにしてもエプソンは、
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\
| |r┬-| | なんで今さらハイレゾモードに対応した機種を出したんだお。
\ ` ー'´ /
. _______
/ \,-、__
/_,ノ `⌒ ヽ.,__ ヽ まあ、ハイレゾモード対応機種は主流ではないにせよ、一定の需要が
| (● ) (● ) ,.! ┴-'、
| (___人___) 〉-‐‐´ l 存在したというのが当然あるだろ。また、NECが1990年初頭から、
.| u 〉--‐´ l
| iヽソ l ハイレゾモード対応機種をさらに強化した「ハイパー98」の出荷を
Λ ∧`;" '、
__,. ィ仏 ___、___ ィ_ノヘヽ、 _,.‐ー、_ 始めていたことも、無関係ではなさそうだな。
_,. -= ''' .:::::::}:::::::::::::::::::::::/::::::::>´..:::::::.. ヽ`.、
ノ´ ...::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈 :::::::::::::::...\::ヽ
/ ...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', ::::::::::::::::::.. ヽ:}
____
/ \
/ \:::::::::::/ \ その、ハイパー98ってのはなんだお。
/ (●):::::(●) \
| (__人__) u | ずいぶん強そうじゃないかお。
\ . |┬-r| /
/ `ー´9mー )
`ーー‐'゙
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \ ハイパー98は、32ビットCPUの能力を引き出せるよう、周辺回路との接続を
(―)(― ) |
(__人__) | 高速・高機能化したうえ、16メガバイト以上のRAMにも対応した「NESA」を採用。
(`⌒ ´ |
.l^l^ln | またオプションで、1,600万色中256色の表示にも対応可能となっていただろ。
.ヽ L ノ
ゝ ノ ノ ただ、最初に登場した「PC-H98モデル70」のフロッピーディスクドライブのみ
/ / ヽ
/ / | 内蔵のモデルでも100万円近いという、かなり値が張るものでもあった。
____
/ \
/ ヽ、 _ノ \ そしたら逆に、ハイレゾモード対応機種を割安で出せれば
/ (●) (●) \
| (__人__) | チャンスがありそうってわけかお。
\( (ヽ(\ ⌒´ /
γ⌒\\\\ ⌒ヽ
i j ヽ 人`ヽー‐ i
ヽ、 l ( ̄ ) て___.ノ
../つゝ、,,!  ̄ `⌒ }
__
/ノ ヽ\
/(●)(●) \ また、アメリカでは既に5月に発売されていたWindows3.0がかなりヒットして
| (__人__) |
| | いたので、1文字を精細に表示するだけでなく、文字を小さくしてウィンドウを
. | |
. ヽ / 広く使うこともできるハイレゾモードに、伸びしろがあると見た可能性もあるな。
ヽ /
/ ヽ ただ、NECのハイレゾモード対応機種はPC-98XA以外すべてEGC搭載だった。
| |
| | これがエプソンの機種で初めて載ったのが、まさにこのPC-386Gと386Sだ。
/ ̄ ̄ ̄ `\
/ ヽ、
/ _ ヽ ねんがんの EGCをてにいれたぞ! ってとこかお。
/ ,イ´::::::::ト、 ヽ
{ /::::::::::(●)ヘl 〉
ヽ | /::::(__人__):::::::} /
λ_ゞ\ゝ、.`_⌒´__,/У
イ ー ̄三  ̄二三[]=イ"ゝ
/弋_ー = ー─ヤ彡ヽ
/ ̄ ̄\
/ 〉 _ノ ヽ、_ \ より正確には、開発したということになるがな。ただ、このPC-386GとSは、
/ /' ( ―)(― ) |
./ //〉 (__人__) │ CPUに80386の中でも高速なタイプを搭載しているわりに、期待に沿う性能が
.l ´ イ| `⌒ ´ |
.l iY | 出ないことが少なくなかったらしい。特にPC-386Sは、処理速度を計測する
./ ハ ! /
./ / ' ヽ / いわゆるベンチマークの結果が、ソフトによっては、従来機種のPC-386や
l / .〉-r:::┬〈、
__「 ー‐1 ./Λ 〉.:〈 7//\ PC-386Vとほとんど同じになってしまうケースがあっただろ。
i//7777|/////V::::::V/////\
|//////|//////∧::://///////}
|//////| ///////∨/////////{
/ ̄ ̄ ̄ \
/ . \
/ _ ノ ヽ、_ \ PC-386VはSとカタログの値段は同じでも、1年前のモデルだから
.| (ー) (ー) . |
\ (__人__) . / だいぶ値段は下がってるはずだお。それと性能に
/ `⌒´ ヽ
ヽ、二⌒) (⌒ニノ 大して差がないんじゃ、かなりガッカリじゃないかお。
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、.\ また、実際にはEGCの互換性も100%ではなかった。この頃は
| (●)(●) .|
. ! (__人__) | まだ多くなかったものの、後に一部のゲームなどEGCが必須のものでは、
, っ `⌒´ |
/ ミ) / このPC-386GやSで正しく動作しないというケースが出てきたようだろ。
./ ノゝ /
i レ'´ ヽ
| |/| | |
____
/ \
/ \ ハイレゾモードのソフトが動くことが優先で、
/ \
| \ ,_ | 細かいところのチェックが甘かったってことなんかお。
/ u ∩ノ ⊃―)/
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
/ ̄ ̄ \
⌒ `⌒ \ 今回は、こんなところだな。
( >) ( ●) |
(__人___) | 次回、この1990年末の話でまだ触れていない部分を
'、 |
,,. -ー| |ヽ___ 片付けてから、1991年に入るとするだろ。
/ .:::〉-、_ ___ /ィ::::::::::::..`' ー-、
l ::::://// ,ヽ__,. ":::/::::::::::::::::::::::.. ヽ
」 :::/ 代_|二::::/ :::::::::::::::::::::::::::::::..\
l ::::/__ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::: i
L√:::::>、<:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l :::::::::::::::::: |
ハ::::::::::::::::v":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::: |
ハ::::::::::::::::: 〉ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::/::||
ハ:::::::::::::::::: i/\:::::::::::::::::::::::::::::::::::;| ::::::::::::::::::: ノ::|
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ .____
| ( ⌒)(⌒)/⌒ ⌒\ それじゃ、次回までバイバイだお!
. | (__人__) .(●) ( ●)\
| ` ⌒ノ ⌒(__人__)⌒:::::\
. ヽ } . |r┬-| . |
.ゝ_,. ノ____`ー'´___./
-(___.)-(__)___.)─(___)─
やる夫と学ぶホビーパソコンの歴史
第30話
「さらば8ビット」 おわり
※FMタウンズの旧機種に対するCD-ROMドライブ性能向上のための有償サービスについて、
コメントで詳細な情報をいただきましたので、それに合わせ記述を変更しました。
(2014/7/23追記)
※PC-98ドゥ+について、ドゥになかった外付けFDD用インターフェースが
存在することに気づかずにスペック表を作成しておりましたので、修正しました。
(2014/7/31追記)
※スペック表に価格を追加しました。
(2015/4/25追記)
※コメントで指摘をいただき、FMタウンズモデル10Fについて、RAMが1MBと取り違えて
「モデル10Fは単に30万円切りましたって言うためだけのモデルな感じ」などと
不適切な紹介をしていることが判明しましたので、修正しました。
申し訳ありませんでした。
(2016/2/15追記)
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コメント
当時TOWNSユーザーだったものですが「これに関連して従来のユーザーに対しては、CD-ROMドライブを制御するコントローラーを交換して、性能を向上させる有償サービスが提供されただろ。」初めてききました。本当でしょうか、ぜひソースを教えていただけないでしょうか?
投稿: makira | 2014年7月19日 (土) 20時13分
> makiraさん
コメントありがとうございます。
こちらでは、ソフトバンクの雑誌「ザ・コンピュータ」の1991年1月号におけるタウンズ新製品の紹介記事において、「また富士通は従来機種のユーザーに、システムソフトのレベルアップや新I/O拡張ユニットの提供、またCD-ROM制御用マイコンの交換などのサービスを有償で実施すると発表した。」という記述を確認しています。
投稿: タイニーP | 2014年7月20日 (日) 08時44分
タイニー様、ご資料の提供ありがとうございます。
「OH!FM」1990年12月号でもCD-ROM制御用マイコンの交換の有料サービス確認できました。
2万5千円(送料込み)で平均10数%高速化。交換修理に10日から15日ほど。対応機種は初代TOWNSのみ(2代目と3代目はCDROMドライブの速度は同じなので交換の意味はない)
初代TOWNNSだけCD-ROMの平均シークタイム不公表(2、3代目3秒、4代目1秒)であきらかにCDドライブが遅く、動画データが音ずれする不具合があったので多分、その苦情対策でしょう。おそらくはこのサービスを受けた人は
皆無だったでしょうね。
この3代目からCD-Rが読めるようになったのでCSKと関係の深い富士通だから、もしかしてMEGA-CDの開発機材を
ねらっていてそのためのCD-ROM制御コントローラー交換サービス?と思いましたが、それは壮絶な妄想でした。
よい勉強になりました。ありがとうございます。
投稿: makira | 2014年7月22日 (火) 23時32分
> makiraさん
こちらこそ、詳細な情報をありがとうございます。
いただいた情報を踏まえると、当該箇所の記述が若干誤解を招きやすいと考えましたので、修正いたしました。
投稿: タイニーP | 2014年7月23日 (水) 23時16分
タイニーさん、ご無沙汰してます。
TOWNSのモデル10Fのメモリ容量なんですが、スペック表は間違っていませんが本文が間違っています。3代目TOWNSは全て2MB標準搭載です。
…それだけなんですが(滅
投稿: りう | 2016年2月15日 (月) 04時27分
> りうさん
ご指摘ありがとうございます。
スペック表のほうは問題ないようなので、どこでどう勘違いしたのか判然としないのですが、ともかくモデル10Fの紹介がかなり不適切だったのは間違いありませんので、さっそく修正しました。
改めて御礼申し上げます。
投稿: タイニーP | 2016年2月15日 (月) 20時38分